心筋梗塞は前兆を見逃さないで。その症状、前触れと予防法
心筋梗塞は、壮年期以降の人がなる病気、と思っていませんか?
サッカー選手で元日本代表の松田直樹選手が突然亡くなったり、女優の天海祐希さんが入院なさったり、と若く、心筋梗塞のイメージとはかけ離れた人もなっているのは、記憶に新しいですね。
心筋梗塞は、まだまだ若いから大丈夫なんていっていられません。いつなっても不思議はない、と最近トミに怖くなってきました。
でも、心筋梗塞は、前兆があることが多いので、前兆を知っておけば、未然に防ぐこともできますよね。是非チェックしてみてください。
心筋梗塞の基礎知識から
人の心臓は、1分間に5リットルもの血液を全身に送り出しています。これが、どれほどすごい仕事かというと、擬似心臓を手で押すという実験をやってみるとよくわかるんですが、大の男の大人が1分間、必死にやってもやっと1リットルしか出来ないものなんです。
心臓は、筋肉の塊で、3本の動脈から血液を受け取っています。どのように心筋梗塞が発症するのでしょう?
心筋梗塞の発症のメカニズム
動脈硬化の進行や血管内の「プラーク」と呼ばれる脂肪などの固まりが破れると血栓が出来ます。その血栓が血管中を流れていった結果、心臓の動脈をつまらせてしまうと、起こります。(因みに、脳の方へ流れていくと、脳梗塞になります。)
心臓の動脈が詰まると、心筋が壊死してしまい、素早い治療をしないと、死に至る病です。
動脈硬化は、喫煙、食事、ストレス、運動、過度の飲酒、などの生活習慣の乱れによって、引き起こされます。
どんな時になりすいのでしょうか?
狭心症、心筋梗塞は、脱水、疲れ、急な温度変化、睡眠不足などが引き金になって起こることがあります。
また、引き金がなくても、心筋梗塞は突然に起こることも多いのです。
要注意な時間帯は、早朝(午前6時から8時)と夜間(午後8時から10時)で、それと、冬の寒い日も要注意です。
心筋梗塞の症状とは?
- 強い胸の痛み
- 呼吸困難
- 吐き気
- 冷や汗
があげられます。
心筋梗塞を起こすと、約3割は死亡すると言われています。しかもその大多数は、発症から数時間以内です。ですから、心筋梗塞が疑われる症状がある時は、時間外、などと思わないで、迷わず救急車を呼ぶことです。発症後、すぐに心筋の壊死が起き始めますので、迅速な対応が必要になります。
痛くない心筋梗塞??
心筋梗塞は、必ずしも激しい痛みが起きるわけではありません。このような無痛性心筋梗塞の患者の多くは糖尿病や高齢者です。これらの患者は痛みを脳に伝えにくくなっているため痛みを感じられないのです。これは、返って厄介ですね。
ですから、なんとなくだるい、吐き気がする、などの症状しか感じられない場合があります。ですが、心筋梗塞には変わりないので、「起きている病状が軽い」というわけではありません。
心筋梗塞の前触れ
大抵の場合、狭心症の発作が前にあります。実に患者の約半数が何らかの前触れを感じています。
ただ、狭心症は、じっとしていると回復してしまうので、見逃すことが多いのです。
心筋梗塞の前触れかもしれない、身体の異常
1.胸の痛み 胸やみぞおちを突然圧迫するような傷み
本人は、すぐに痛みが終わるので、あまり気にしないかもしれませんが、まわりにいるひと(家族など)から見ると、しきりに胸を触る、胸を気にしている様子などがみられます。
2.左肩、背中の痛み
「放散痛」と呼ばれるもので、実際に痛むべき場所が痛まず、違う場所が痛むことを言います。
心臓が脳に痛みを伝える神経が左肩を通ってしまっているので、実際の痛みは、心臓なのに、左肩が痛いと脳が認識してしまうのです。
3. 左手小指の痛み
4.冷や汗、のどをゼイゼイ鳴らす
5.不整脈
この症状をまわりにいるひと(家族など)から見ると、動きがいつもより遅い様に見えます。これは、苦しいのをかばって、遅く動くからなんです。
6.吐き気・むかつき
逆流性食道炎?と思わせるような症状なので、気付きにくいと言われます。心臓と食道は近いので、以上を知らせる信号が脳に行っても、食道からの信号?と間違えて認識してしまうことから起こります。
7.歯の痛み 奥歯や下顎が痛む
このような症状があるときは、要注意です。
8.なんだか、胸がざわざわする
はっきり痛い、という感覚まではいかないで、モヤモヤ、ざわざわ、と違和感がある、という感じです。
9.疲れやすい
いつもより、やけに疲れている、というときは、要注意です。
心筋梗塞の予防について
心筋梗塞になりやすい性格の傾向があります。
- ガツガツ仕事をする
- 短気である
- ひととの競争が好きだ
- 責任感が強い
のんびり、マイペースな方が、ストレスもかかりにくいから心筋梗塞になりにくいですね。
- 高血圧
- 喫煙
- 脂質異常
- コレステロール値高め
- 糖尿病(血糖値が高め)
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 家族に心筋梗塞のひとがいる
肥満でもない、運動不足でもない、喫煙もしない、というひとでもストレスによって、心筋梗塞を発症することがあります。
前出の松田直樹選手や、天海祐希さんですね。おふたりとも体は大事になさっていたに違いありませんが、ストレスのかかる状態だったのですね。
また、最近では、一般に青魚を食べなくなり、食の欧米化により、リスクが増えているそうです。
心筋梗塞の予防13
1.禁煙、
2.塩分コントロール、
3.コレステロール値コントロール
4.野菜、魚を食べる。。特に青魚に含まれるEPAは効果的です。オメガ3の油、
抗酸化食品 を取りましょう。(色の濃い野菜など)
5.栄養バランスを考える。。高タンパク低脂肪が健康的です。
6.肥満に注意
7.お酒は適量。。ビール中びん 2本、日本酒なら、2合(女性はもっと少ないです)
個人差 もありますし、体調にもよります。
8.ウオーキングなどの有酸素運動
9.短気は損気
10.ノーストレス。。ストレスは、万病のもとですね。
11.寒暖の差に気をつける。。冬の脱衣所、トイレ、廊下など、危険箇所です。
12.規則正しく眠る
13.定期検査をする。。これも大事ですね。
仕事が忙しかったり、寒かったり暑かったりで、なかなか気になっていても定期検査って出来ないことも。会社に入っているときは、私もきちんと毎年やっていたのですが、会社をやめてからずるずると3年もサボったり。。。
そんなときは、せめて血液検査だけでもしておくと、自分の身体の状態がわかりますね。
ちょっと指先の血液を採取するだけで、血液検査が自宅にいながら出来るんですよ。やってみたけど、案外簡単で、痛くもなかったです。
まとめ
心筋梗塞の前触れを正しくキャッチして、狭心症の段階で、治療できれば、恐ろしいアタックを回避できますね。
症状の章で、周りの人が気づける動作、様子などを載せました。意外と本人は気づかないものなのですが、周りの人が、いつもと様子が違う、と感じたら、一度、循環器内科で診察をしてみると、心筋梗塞を発症しないで済むかもしれません。
また、そうならないように、正しい食事、ストレス解消、運動と睡眠を心がけましょう。
これは、どんな病気にも有効な予防法ですね。