ノロウイルス胃腸炎の妊娠中の影響は?胎児は大丈夫なの?
妊娠中は、自分のこともお腹の赤ちゃんのこともダブルで心配ですね。とくに初期だと、つわりか胃腸炎か、わかりづらいことも。ここでは、ノロウイルスの基礎知識とともに妊婦さんならではの注意点もみてみましょう。
ノロウイルスの症状と基礎知識
ノロウイルスの感染源は二枚貝です。ノロウイルスに汚染された貝を、生や加熱の足りないままに食べてしまうと食中毒の症状が出る危険があります。防ぐためには、食品の中心温度が85度以上になるようにして1分以上加熱してください。ウイルスは死滅します。
ノロウイルスは、寒い時期に感染しやすい病気です。ですから、患者は、冬に多く感染します。ノロウイルスには、特効薬やワクチンがありませんので、感染したら、自分の力で治すことになります。
[su_note note_color=”#fbc3fb” radius=”5″]ノロウイルスの症状
激しい嘔吐、腹痛、下痢、寒気など[/su_note]
妊娠中だと、上記の症状がすぐに強く出るとわかりやすいですが、強くない場合、つわりと間違えやすく、判断がつかず、発見が遅れることもあります。
発症して、激しい下痢が続くと、子宮を刺激して、お腹の張りが強くなり、流産を引き起こすこともあるので、注意が必要です。その上、ノロウイルスは特効薬がなく、病院に行っても出来る治療は、水分管理や、整腸剤を処方することくらいです。
病院に行くことで、他の菌をもらったり、他の妊婦さんに移すこともあるので、まず、感染が疑われたら、事前に電話でご相談ください。
自己判断で、うちにある薬、市販薬、下痢止めなど、飲まないでください。下痢を止めると菌の排出を妨げることになります。
妊娠後期には、産道が菌で汚染されるのを防ぐために、下痢の時は、ビデなどで清潔にしてください。
妊婦・胎児への影響
お腹の赤ちゃんのことが心配になりますが、赤ちゃんへの直接の影響はありません。
心配なのは、母体の環境が悪化することです。母体が下痢で脱水してしまうと胎児にも良くないので、ポカリスエットなど、飲めるようなら飲んでくださいね。
また、先程も言いましたが、下痢によって子宮が刺激され、お腹が張ることに注意です。場合によっては、流産を引き起こすこともあります。
しつこいようですが、産科の医師に電話で相談してください。
ノロウイルスにかかってしまったら?
ノロウイルスに感染してしまった時の処置はどうしたらいいでしょうか?
水分補給の仕方
先ほど水分補給の大切さを言いましたが、一度に飲んでしまうと、胃を刺激して、嘔吐を誘発してしまいます。
具合の悪い時には、少しずつストローなどで飲みましょう。温度は、常温か温かいものが刺激が少ないです。ポカリスエットなどのイオン飲料、経口補水液がお勧めです。
サッパリしたいから、と炭酸飲料が飲みたくても我慢してください。荒れている胃には刺激が強すぎます。炭酸飲料を飲んでしまうと胃の中でアワアワになり、逆流してしまいます!
食事
嘔吐がひどい時は、食べないで様子を見ましょう。嘔吐のあと、20から30分は胃を休ませてから食べましょう。治まってきたら、様子を見ながら少量ずつ重湯、おかゆなど、胃に優しい物から始めます。
刺激物、冷たいものは避けましょう。クリームなどの油脂、柑橘系は避けましょう。
なかなか食べられるようにならない時は、氷砂糖やアメを舐めるのもいいようです。とにかく、無理のないように、少しずつ様子を見ながら食べることです。
入浴
嘔吐や下痢が激しい時は控えましょう。
入浴中にもよおしてきたら、大変です。慌てて動作をして、バランスを崩すこともありますからね。下痢が続いていたら、シャワーにします。
感染拡大を防ぐために、他の人とタオルやスポンジを共用しないで、皆が入った後に入浴しましょう。
治った後も2週間は感染の危険がありますので、上記のお風呂のやり方を続けましょう。(順番、ふろ用品のこと)
ノロウイルスを予防するためにできること
インフルエンザウイルスとは違い、ノロウイルスは、ウイルスを触った手から口に入り、感染します。
ですから一番効果のあるのは、徹底した手洗いです。
爪の間、指の間、手首、親指、手の甲まで、しっかり洗ってください。爪の間はブラシで洗うときれいになります。
洗った後は、流水でしっかりと流しましょう。
外出先で、つり革、ドアノブ、手すりなど触った後は、手洗いを忘れずに。
また、冒頭でも言いましたが、2枚貝は、よく加熱してから食べましょう。お寿司から感染することもあります。冬の間は、注意が必要ですね。
汚染物の処理
ノロウイルスは塩素系の漂白剤でないと除菌できません。
嘔吐物を扱うとき
- マスク、ゴーグル、手袋を忘れずに。
- 使用した、雑巾、マスク、手袋はビニール袋に密閉して捨てます。
- 塩素系漂白剤を200倍に薄めた液で、消毒します。
洗濯物は、ゴーグル、手袋、マスクで防護して、水洗いしてから、塩素系漂白剤のうすめ液で漂白し、その後洗濯機で洗濯します。
まとめ
私も過去に感染したことがありますが激しい嘔吐で、2日ほど苦しみました。吐いても吐いても苦しくて、眠れないほどでした。妊娠中ではありませんでしたが、妊婦でなくてもきついものでしたから、2人分の心配をしながらの妊娠中に感染したら、それはそれは、大変でしょう。
ぜひ、手洗い、マスク、加熱を実行して、ノロウイルス予防をしていただきたいと思います。
お健やかに。